Japanische Klassiker mit Furigana
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あたらしいふなで
新しい船出
宮本 百合子
Lesen Sie 新しい船出 (あたらしいふなで) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.508 Zeichen · 17 Bildschirme
従って女としてのそういう苦痛な生涯のありようから人間的な成長、達観へ到達する道は諦めしかなく、諦めということもそれだから女らしさといわれる観念の定式の中には一つの大切な要素としてあげられて来ているのである。
戦国時代ある大名の夫人が、戦いに敗れてその城が落ちるとき、実父の救い出しの使者を拒んで二人の娘とともに自分の命をも絶って城と運命を共にした話は、つよく心にのこすものをもっていると思う。当時の男のこしらえた女らしさの掟にしたがって、その夫人は最初ある大名の許に嫁しずけられた。ところが、その時代の政略にしたがって実父はその娘の良人と不和に到ったら娘を強いてもとり戻して、さらに二度目の良人であるその城主に嫁しずけた。不幸にもまたここに実父の側との戦いがはじまって、良人の軍は敗れたので、夫人の実父は前例どおり、また夫人を救い出そうとしたのであった。これまでまことに女らしく父の命のままに行動した娘に、今回も父が期待していたことは、彼女の無事な脱出と身の平安とやがて輝くような美貌によって三度目の縁につくこと、そのことで父の利益を守ることであったろう。しかし、その麗しくまた賢い心の夫人の苦悩は、全く異った決心を彼女にさせた。