Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんねんざっそ
新年雑俎
寺田 寅彦
Lesen Sie 新年雑俎 (しんねんざっそ) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.034 Zeichen · 6 Bildschirme
比較にならぬほど上等であるために却って正月の雑煮の気分が出なくて、淡い郷愁を誘われるのであった。
東京へ出て来て汁粉屋などで食わされた雑煮は馴れないうちは清汁が水っぽくて、自分の頭にへばりついている我家の雑煮とは全く別種の食物としか思われなかったのである。
去年の正月ある人に呼ばれて東京一流の料亭で御馳走になったときに味わった雑煮は粟餅に松露や蓴菜や青菜や色々のものを添えた白味噌仕立てのものであったが、これは生れてから以来食った雑煮のうちでおそらく一番上等で美味な雑煮であったろうと思われる。それだのに、それと比べて我家の原始的な雑煮が少しも負けずにうまく食われるから全く不思議なものである。
雑煮の膳には榧実、勝栗、小殿原を盛合わせた土器の皿をつけるという旧い習慣を近年まで守って来た。小殿原はためしにしゃぶってみたことがあり、勝栗もかじってみたことがあるが榧の実ばかりは五十年間ただ眺めて来ただけである。いつか正月の朝の膳に向かったとき、一体このような見るだけで食わない肴が何を意味するかということが家族の間で問題になったことがあった。討論の結果、これは今でこそほとんど食えないような装飾物であるが、ずっと昔これらのものが非常に珍しいうまい御馳走であった時代があったので、その時代にこれらのものが特別なとっときの