Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
「敵は必死の兵、心もとないが、猪右衛門なら、あれも生きる気で出おるまい」
果たして、山内一豊の手勢は、それへ当るに、驚くべき果敢を示した。動かざる必死の敵団も、その一触をうけるや、眠れる虎が、一吼して立ち上がったような猛気をふるい、両勢、およそ同数の兵が広き地域へ分裂もせず、渦となって戦い合った。彼も必死、これも必死、まさに鮮血一色の死闘図だった。
その喊声もハタと止んだ。野はすでに暮色である。勝敗は一瞬に決したのだ。猪右衛門一豊以下わずかの影が、綿のように戦い疲れて引っ返して来る。馬の足もとまでよろめいているかに見えた。
約三百の兵が、わずか四、五十騎しか戻って来なかったのである。その時、秀吉の側から、秀吉の旨をうけた使番の尾藤勘左衛門が急に下へ駈け降りていた。そして中腹の岩鼻から、下を通る一豊へ向って勘左衛門は、
「猪右衛門、猪右衛門。お働き御覧ぜられ、筑前様には、大慶斜めならず、やるわやるわと、躍り上がって、尻餅をお搗きなされ候う程ぞ。――御面目にこそ!」
と、大声で祝った。
猪右衛門は、馬のまま、上を仰いでニコと歯を見せ、
「仰山にいわるるなよ。