Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
ところが、本丸小屋奥の木戸も、その“顔”をもって、通ろうとすると、
「待て」
と、守備の衛将が、きびしく制止して、
「何処へ行かれる?」
と馬上の玄蕃允を誰何した。
玄蕃允は、じろと振向いて、
「やあ、毛受か。――叔父御に会いに参る。叔父御はお小屋か、お陣幕の裡か」
案内せよ、といわぬばかりである。毛受勝助家照は、ふと苦々しい眉をあげ、玄蕃允の前へ廻ってこうたしなめた。
「まず馬からお降り下さい」
「なに」
「ここは御大将の帷幕に間近な陣門です。いかなる御方であろうと、また急用であろうと、馬上のまま乗り入れはゆるされませぬ」
「いうたの。勝助」
苦笑いしながら玄蕃允は降りた。“こいつが”という反感であったが、軍紀には抗し得ないのである。その代り相手の要求通り下馬すると、もってのほか語気は荒くなった。
「叔父御は、いずれか」
「御軍議中です」
「誰と誰が寄っておるのか」
「拝郷殿、長殿、原殿、――浅見殿。御子息権六勝敏様なども加えられ、御幕下のみで御陣幕に籠もられておられまする」
「ならば、さしつかえない、そこへ罷り通る」
「いや、お取次しましょう」
「それには及ばん」
玄蕃允は押通ってしまった。