Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
阿修羅王に
われ劣らめや やがて又
生れて取らむ
勝家が首
と、辞世を詠じ、二度三度、喉も破れよとくり返した。そして、
(よく詠んだ)
と、自讃して、呵々一笑したかと思うと、眼前の敵手を待たず、みずから首刎ねていた――という。
魚津はついに陥ちたりとはいえ、上杉家の士は、われら上杉衆の中に、この竹股三河守を持ったことを、非常な誇りとしていたこというまでもない。
で、石川播磨守は、こんどの使節の旅の途次、その隠れたる遺子をさがして、越後へつれ戻るべく、列の中に加えていたわけであるとも、話のあとで、つけ加えて云った。
満座の武将は、杯をおいて、聞き澄ましていた。秀吉も、頷き頷き聞き終った。そして、播磨守から乞われた大盃を取ると、
「阿修羅の伜。――もそっと寄れ」
と、さしまねいた。
竹股秀重の遺子三之助は、秀吉の手からそれを拝領した。もとより少年なので、酒をでなく、盃その物を与えられたのである。
「この盃は、三河守の一念にたいし、供養のため、そちの家へくれるものじゃ。父を鑑に、父に劣らぬ、よいさむらいになれよ」
感じやすい少年の顔はほの紅く燃えていた。
播磨守は、三之助と共に、厚く礼をのべ、この夕、越後へ帰国した。