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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme

Aozora Bunko

と、残務をただした。

一同は、書類を整えて、

「――滞りなく」

と、答えた。

「退がっていい」

秀吉も一緒に立った。寝不足と疲労で、立ったとたんに眩いがした。部屋部屋の謡声や鼓の音は、燭とともに熾んだったが、それすらちと頭のしんに痛いような気がした。

そこへまた――どやどやと一組の賀客と小姓たちの跫音がした。播磨宍粟郡山崎の城の黒田官兵衛孝高が、せがれの吉兵衛長政を携えて、今これへ着いたというのである。

奥へ入りかけていた秀吉であったが、そう聞くと、

「なに官兵衛父子が来たと。――通せ、通せ」

彼と黒田とは、ただの仲ではない。彼が手を振っているまに、官兵衛はすでに来ていた。黄昏のあいろに紛れて、もう広間の中ほどに立っていた。

小姓たちが、彼のために、あわてて燭や褥を席に調えるのをよそに、

「おう、お達者よな」

立ったままで、挨拶だった。

秀吉も立ち待ちしていたからである。

「やあれ、官兵衛か。――よくぞ、よくぞ」

ずかずか歩み出して来て、両手で官兵衛の肩を慥と抱いた。

「あぶない」

官兵衛は跛足だ。その手を持ちつつ、褥のない所に、ぺたんと坐ってしまった。――往年、荒木村重が叛離のとき、単身、有岡城へ入り、その折、遂に失った左の一脚に――秀吉は、気づいた。