Japanische Klassiker mit Furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
三
……水戸の藩士、武田魁介、金沢次郎太夫、山田鉄二郎らであった。
「なにをなさいます」
ふいを衝かれながらも、梅八はとっさにそう叫んで三人の前へ立ち塞がった。その隙に客は座を蹴って立った。しかし梅八を突きのけて跳りこんだ武田魁介が、逃げようとする客の肩をがっしとつかんだ。
「動くな、結城寅寿、逃げられはせんぞ」
「……ぶれいな」
「なにをぬかす、坐れ」
魁介は強引に相手をそこへひき据えた。梅八は二人に両の手を掴まれながら、「あなたがたはなんです、それでもお侍ですか、人を呼びますよ」とひっしに掴まれた手をふり放そうとした、魁介は大きな眼をむきだしてどなった。
「騒ぐな、人を呼ぶのはおれたちは構わぬ、しかしこの男がそれは困る筈だ」
「なんですって」
「騒ぐなというんだ、おまえはなにも知るまいが、さっきからこの男のさそいに乗って、云ってはならぬ事をだいぶ口にしているぞ」
梅八はなにを云われたのかわからなかった。魁介はしかしそんなことはどっちでもいいというようにひき据えた相手の前へどかっと坐って、「大峰庄蔵と矢田部源七郎の居どころを聞こう」平手打ちをくわせるような調子で云った。