Japanische Klassiker mit Furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
「お上の御指名にございます」
「讃岐守どのの……」ああそうかと、左近ははじめて安堵の微笑をうかべた、「では大峰、矢田部と申す二名の者は、たしかに追放されるのだな」
「御意のとおりにございます、二名を隠匿せる事実なしと、老臣共の言質をとるためのお上の御遠慮にて、その旨を言上のためわたくしめにお使者の御指名があり、時刻はずれにございますが伺候つかまつりました」
「それでよい、もし不調に及んだらと案じたが、それで余も安堵したぞ」
「もう一つ言上がございます」宗兵衛はそう云ってちょつと眼をふせた、「今朝はやく、倉敷代官さし添いにて、木阪町奉行よりの使者がまいり、高松郷士早水秀之進に対する追捕の旨を申し達しました」
「秀之進に追捕の命とは」
「信州高島城下にて闘争に及び、五名殺傷のうえ逃亡との理由にございます」
左近はじっと宗兵衛を見た。なんのために秀之進が信州などへ行ったのか、殺傷した五名の対手はどこの者か、左近には見当もつかなかったが、宗兵衛はなにごとか知っているように思えたのである。
「秀之進はなんのために信濃へまいったのだ」
「わたくしも存じません」
「少しも知らないのか」