Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
藤尾は硬ばった顔をしてじっと障子のあなたをみまもっていた、あの射止めるようなまなざしである、額のあたりが石にでもなったように白く固くなってみえた。
「わたくしです」
「……え」
「わたくしを追って来たのです」
つきつめたような表情とは反対に、しずかな低いこえでそう云った。大助にもその意味はすぐにわかった。
「ああ討手のことですか」かれはわざと笑いながら、「兵馬さんが見たというのは本当かも知れませんね、脱藩者の追求はいまどこでも厳しいから、きっとそうでしょう、貴女がたのあとを跟けまわして、この箱根で網を張っていたのかも知れませんよ」
「わたくし会いましょう」
「会う、誰に会うんです、まさか討手に……いやそれは可笑しい」大助は手を振った、「貴女が会ってどうするんです、かれらが貴女と斬り合をするとでも思うんですか、冗談じゃない貴女には関わりのないことですよ」
「いいえ関わりはございます」藤尾はきっぱりと云った、「わたくしは柿崎藤尾でございます、兵馬の妹でございますもの、兄の罪はわたくしの罪、お咎めをうけるのは当然でございます」
「婦人の哲学ですね」大助はまたわざと笑った、「そんな罪科論より、問題は兵馬さんに罪があるかないかである、兵馬さんに罪科とよぶべきものがあれば、なるほど貴女もその咎をうけるがいいでしょう、しかし貴女は