Japanische Klassiker mit Furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme
とひらき直った。
「なんだ、急に、今になって」
「蒙昧の説とはなんだ、その意味をはっきり聞こうじゃないか、どこが蒙味だ」
「そうむきになるなよ、おれは貴公の説を蒙味と云ったのじゃない、誰をもさして云ったんじゃない、むやみに夷狄を討てという、理非を弁ぜずただ夷狄を撃攘しろという説は蒙昧だというんだ」
「なぜ、どうして、どうしてそれが蒙昧なんだ、その説明をしろ」
「おい久木」太田という温厚そうな男がそばから制止した、「それは此処で討論しなくともいいだろう、未知の人もいるし……」
「未知であろうと既知であろうと日本人なら誰しも関心をもつべき問題だ、加地いいから説明しろ」
「では云おう、夷狄撃攘ということは、口でいうほど単純なものではない、祭礼の囃し文句ではないんだ」
「そんなことはわかってる」
「いやわかってはいないよ」加地という青年(このなかまで最も若く、どこか神経質らしい骨細のからだつきだった)は、ぐいと砂の上で坐り直した、「君たちはすぐに説をなして、日本を神聖の地とし異国人を蛮夷とする、しかもその言葉の内容は検討されたものではなくて、多くはそう云うこと自体のうちに満足を感じている、日本という国をまさしく理解しようとせず日本人という自覚もよくは徹底していない、ただみんながおなじ方向に顔を向けさえすれば、それでなにごとかが為さ