Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
こんな寒い夜でもだるま船が出るのか、お養父さんを迎えに町へ出てみると、雁木についたランチから白い女の顔が人魂のようにチラチラしていた。いっそ私も荒海に身を投げて自殺して、あの男へ情熱を見せてやろうかしらとも思う、それともひと思いに一直線に墜落して、あの女達の群にはいってみようかと思う。
(一月×日)
島で母達と別れると、私は磯づたいに男の村の方へ行った。一円で買った菓子折を大事にかかえて因の島の樋のように細い町並を抜けると、一月の寒く冷たい青い海が漠々と果てもなく広がっていた。何となく胸の焼ける思いなり。あのひととはもう三カ月も会わないのだもの、東京での、あの苦しかった生活をあのひとはすぐ思い出してくれるだろう……。丘の上は一面の蜜柑山、実のなったレモンの木が、何か少女時代の風景のようでとてもうれしかった。
牛二匹。腐れた藁屋根。レモンの丘。チャボが花のように群れた庭。一月の太陽は、こんなところにも、霧のような美しい光芒を散らしていた。畳をあげた表の部屋には、あのひとの羽織がかけてあった。こんな長閑な住居にいる人達が、どうして私の事を、馬の骨だの牛の骨だのなんかと言うのだろうか、沈黙って砂埃のしている縁側に腰をかけていると、あの男のお母さんなのだろう、煤けて背骨のない藁人形のようなお婆さんが、鶏を追いながら