Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
どこかでハタハタでも焼いているのか、とても臭いにおいが流れて来る。七十円もはいれば素敵なことだ。とにかくブラさがるところをこしらえなくてはならない……。十燭の電気のついた帳場の炬燵にあたって、お母アさんへ手紙を書く。
――ビョウキシテ、コマッテ、イルカラ、三円クメンシテ、オクッテクダサイ。
この間の淫売婦が、いなりずしを頬ばりながらはいって来た。
「おとついはひどいめに会った。お前さんもだらしがないよ。」
「お父つぁん怒ってた?」
電気の下で見ると、もう四十位の女で、乾いたような崩れた姿をしていた。
「私の方じゃあんなのを梟と云って、色んな男を夜中に連れ込んで来るんだが、あんまり有りがたい客じゃあないんですよ。お父つぁん、油をしぼられてプンプン怒ってますよ。」
人の好さそうな老けたお上さんは、茶を淹れながらあの女の事を悪く云っていた。
夜、お上さんにうどんを御馳走になる。明日はここの小父さんのくちぞえで青バスの車庫へ試験をうけに行ってみよう。暮れぢかくになって、落ちつき場所のない事は淋しいけれど、クヨクヨしていても仕様のない世の中だ。すべては自分の元気な体をたのみに働きましょう。