Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
「お菊さんに店をたのんで一寸波止場へ行ってみない? 子供に見せたいのよ。」冷たいスープを呑んでいる私の傍で、お君さんは長い針を動かせて、子供の肩上げをたくし上げては縫ってやっていた。
「お君さんの弟かい!」
船乗り上りの年をとったコックが、煙草を吸いながら、子供をみていた。
「ええ私の子供なのよ……」
「ホー、いくつだい? よく一人で来られたね。」
「…………」
歯の皓い少年は、沈黙って侘し気に笑っていた。私たち三人は手をつなぎあって波止場の山下公園の方へ行ってみる。赤い吃水線の見える船が、沖にいくつも碇泊していた。インド人が二人、呆んやり沖を見ている。蒼い四月の海は、西瓜のような青い粉をふいて光っていた。
「ホラ! お船だよ、よく見ておおき、あれで外国へ行くんだよ。あれは起重機ね、荷物が空へ上って行ったろう。」
お君さんの説明をきいて、板チョコを頬ばりながら、子供はかすんだような嬉しい眼をして海を見ている。桟橋から下を見ると深い水の色がきれいで、ずるずると足を引っぱられそうだった。波止場には煙草屋だの、両替店、待合所、なんかが並んでいる。
「母さん、僕、水のみたい。