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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

「また来て下さい、夏はいいんですよ。」

お君さんと違って家のない私は、又ここへ逆もどりしたいなつかしい気持ちで、マダム・ロアを振り返った。沈黙った女ってしっかりしているものだ。背広を着た彼女が、二階から私達を何時までも見送ってくれていた。

「よかったら家へいらっしゃいよ。雑居だけどいいじゃないの……そしてゆっくりさがせば。」

駅でバナナをむきながら、お君さんがこう言ってくれた。東京へ行ったところで、ひねくれたあの男は、私を又殴ったり叩いたりするのかも知れない。いっそお君さんの家にでもやっかいになりましょう。サンドウイッチを買って汽車に乗った。汽車の中には桜のマークをつけたお上りさんの人達がいっぱいあふれていた。

「桜時はこれだから厭ね……」

一つの腰掛けをやっとみつけると、三人で腰を掛ける。

「子供との汽車の旅なんて何年にもない事だわ。」

夕方、お君さんの板橋の家へ着いた。

「随分、一人でやるのは心配したけれど、一人で行きたいって云うから、あたしがやったんだよ。」

髪を蓬々させたお婆さんが寝転んで煙草を吸っていた。

「この間は失礼しました、今日は何だか一緒にかえりたくなってついて来ましたのよ。