Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
私は自分の作品の中に、この義父の事を大変思いやり深くは書いているけれども、十七八の頃は、この義父をあまり好かなかったようです。だけど、いまは、私もあれから十年も年齢をとりました。私もひとかどの分別がついて来ると、好きとか嫌いと云うよりもまずこの父を気の毒な人であったと思い始め、養父に就いてそんなに心苦しくも思わないのだけれども、母親に対するような愛情のないのは何としても仕方がないと思っています。私は十二三歳の頃から働いていました。両親に送金を始めたのは十七八歳の頃からであったでしょう。不思議にキモノ一つ欲しいとも思わなかったせいか、働くことはあたりまえの事だと思ってわずかながらも私は送金をしていました。
現在になって、私はどうやら両親を遊ばせておける位になったのだけれども、その日その日を働いて日銭をもうけて来ている人達なので、仲々私につきそって隠居をして来ようとはしない。私から商売の資本を貰っては、今だに小商売を始めて、四五日とたたないですぐ失敗をしているのです。私はこんなことにくたびれ始めました。隠居をして草でもむしっていてくれている方が、私にはうれしいのだけれども、何としても仕方がないのです。