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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

残酷な人の心。チエホフの、アルビオンの娘みたいなものだ。

寿司屋では茶柱が二本も立ったので、眼をつぶってその辻占をぐっと呑みこんでしまった。だから、お前はいやしいと云うのだ。ほんの少しの事にでもキタイを持ちたがる。たかが広告取りの女に、誰が何をしてくれると云うのだねと、神様みたいなものがささやきかける。また、あの糠。いやな、日向臭い糠――。帰り合羽橋へ抜けて、逢初町の方へ出るところで、辻潤の細君だと云うこじまきよさんに逢う。

逢初の夜店で、ロシヤ人が油で揚げて白砂糖のついたロシヤパンを売っていた。二つ買う。

現実に戻ると、日給の八十銭は仲々ありがたい。

*

(七月×日)

薄曇り四年にわたる東京の

隙間をもれて

思い出はこの空気の濁り

午後にやむ雨

蝉の声網目の如し

胸の轟き小止みめぐる血

西片町のとある垣根の野薔薇

其処ここに捉われる風

小さき詩人よ

所在なくさまよう詩人

窮して舞う銭なしの詩人

寂寞の重さにひしがれ

彷徨うは旅の夢跡

何処やらに琴のきこゆる

消える音 消える夢

西片町の静かなる朝

金魚屋のいこう軒

浸み渡る円の水

赤い尾ひれのたまゆらの舞い

咽喉がかわく