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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

舌の上がぴりぴりとしてその醍醐味は蒼涼。蝉取りの少年が沢山遊んでいる。どおんと眠ったような公園の景色なり。

締め合わせられる、つなぐ、断れる。心がきれぎれで、ラムネのびんの玉を、からからとゆすぶっているだけ。尾道へ行く旅費。二円五十銭もあれば、羊かんも買って帰れる。きらきらと向うは陽が射している。こちらは深い蔭になって、長い縁台に眼鏡をかけた男が口を開けて昼寝をしている。氷の旗のゆれる色彩。眼をこらして四囲をみているのだけれども、この景色も、汽車の中では忘れてしまうに違いない。袂の中へがまぐちを落して、ひそかに氷とラムネ代を勘定する。

中根さんも東京へ行きたいとぽつりぽつり話しているけれども、私はうわのそらで、銅貨を数える。昔は仲が良かったと云うだけで、意味もなく公園の景色なぞを眺めていなければならないつまらなさに哀しくなって来る。

氷とラムネ代を払って、四銭残る。みえ坊で嘘つきで、ていさいのいいことばかりで、中根さんに旅費を借りる事を断念。――昼前に橋本へ帰り、勇気を出して、借銭を申し込んで二円五十銭おばさんより借りる。二人の女学生は急に軽蔑したような眼で私を見ている。