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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

」と云ってくれるけれど、このひとはまだ嘘を云ってるようだ。私はくやしいけれど十五円の金をもらうと、なつかしい停車場へ急いだ。

汐の香のしみた私の古里へ私は帰ってゆくのだ。ああ何もかも逝ってしまってくれ、私には何にも用はない。男と私は精養軒の白い食卓につくと、日本料理でささやかな別宴を張った。

「私は当分あっちで遊ぶつもりよ。」

「僕はこうして別れたって、きっと君が恋しくなるのはわかっているんだ。只どうにも仕様のない気持ちなんだよ今は、ほんとうにどうせき止めていいかわからない程、呆然とした気持ちなんだよ。」

汽車に乗ったら私は煙草でも吸ってみようかと思った。駅の売店で、青いバット五ツ六ツも買い込むと私は汽車の窓から、ほんとうに冷たい握手をした。

「さようなら、体を大事にしてね。」

「有難う……御機嫌よう……」

固く目をとじて、パッと瞼を開けてみると、せき止められていた涙が一時にあふれている。明石行きの三等車の隅ッこに、荷物も何もない私は、足を伸び伸びと投げ出して涙の出るにまかせていた。途中で面白そうな土地があったら降りてみようかしらとも思っている。私は頭の上にぶらさがった鉄道地図を、じっと見上げて駅の名を一つ一つ読んでいた。