Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
「私は、これでも子供を二人も産んだのよ。」
お由さんはハルピンのホテルの地下室で生れたのを振り出しに、色んなところを歩いて来たらしい。子供は朝鮮のお母さんにあずけて、新らしい男と東京へ流れて来ると、お由さんはおきまりの男を養うためのカフエー生活だそうだ。
「着物が一二枚出来たら、銀座へ乗り出そうかしらと思っているのよ。」
「こんなこと、いつまでもやる仕事じゃないわね、体がチャチになってよ。」
春夫の東窓残月の記を読んでいると、何だか、何もかも夢のようにと一言眼を射た優しい柔かい言葉があった。何もかも夢のように……、落ちついてみたいものなり。キハツで紫の衿をふきながら、「ゆみちゃん! どこへ行ってもたよりは頂戴ね。」と、由ちゃんが涙っぽく私へこんなことを云っている。何でもかでも夢のようにね……。
「そんなほん面白いの。」
「うん、ちっとも。」
「いいほんじゃないの……私高橋おでんの小説読んだわ。」
「こんなほんなんか、自分が憂鬱になるきりよ。」
(八月×日)
よそへ行って外のカフエーでも探してみようかと思う日もある。まるでアヘンでも吸っているように、ずるずるとこの仕事に溺れて行く事が悲しい。