Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
「あの、花の蕾の、つぼみか。」
「くどいわねえ。何度言ったって同じじゃないの。あなただって、頭の毛が薄いくせに何を言ってるの。ひどいわ、ひどいわ。」と言って泣き出した。泣きながら、「あなた、お金ある?」と露骨な事を口走った。
客はおどろき、
「すこしは、ある。」
「あたしに下さい。」色気も何もあったものでない。「こまっているのよ。本当に、ことしの暮ほど困った事は無い。上の娘をよそにかたづけて、まず一安心と思っていたら、それがあなた、一年経つか経たないうちに、乞食のような身なりで赤子をかかえ、四、五日まえにあたしのところへ帰って来て、亭主が手拭いをさげて銭湯へ出かけて、それっきり他の女のところへ行ってしまった、と泣きながら言うけれど、馬鹿らしい話じゃありませんか。娘もぼんやりだけど、その亭主もひどいじゃありませんか。育ちがいいとかいって、のっぺりした顔の、俳諧だか何だかお得意なんだそうで、あたしは、はじめっから気がすすまなかったのに、娘が惚れ込んでしまっているものだから、仕方なく一緒にさせたら、銭湯へ行ってそのまま家へ帰らないとは、あんまり人を踏みつけていますよ。