Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
十五、六の時にはもう頬に髯も生えて三十くらいに見え、へんに重々しく分別ありげな面構えをして、すこしも可愛いところがなく、その頃、讃岐に角力がはやり、大関には天竺仁太夫つづいて鬼石、黒駒、大浪、いかずち、白滝、青鮫など、いずれも一癖ありげな名前をつけて、里の牛飼、山家の柴男、または上方から落ちて来た本職の角力取りなど、四十八手に皮をすりむき骨を砕き、無用の大怪我ばかりして、またこの道にも特別の興ありと見えて、やめられず椴子のまわしなどして時々ゆるんでまわしがずり落ちてもにこりとも笑わず、上手がどうしたの下手がどうしたの足癖がどうしたのと、何の事やらこの世の大事の如く騒いで汗も拭かず矢鱈にもみ合って、稼業も忘れ、家へ帰ると、人一倍大めしをくらって死んだようにぐたりと寝てしまう。かねて力自慢の才兵衛、どうして之を傍観し得べき。椴子のまわしを締め込んで、土俵に躍り上って、さあ来い、と両手をひろげて立ちはだかれば、皆々、才兵衛の幼少の頃からの馬鹿力を知っているので、にわかに興覚めて、そそくさと着物を着て帰り仕度をする者もあり、若旦那、およしなさい、へへ、ご身分にかかわりますよ、とお世辞だか忠告だか非難だか、わけのわからぬ事を人の陰に顔をかくして小声で言う者もあり、その中に、上方からくだって来た鰐口という本職の角力