Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
だが、そちたちの全力を挙げてあの怪魚の死骸を見つけ出しておくれ、と折から雪の霏々と舞い狂う荒磯で声をからして懇願すれば、漁師の古老たちは深く信じて同情し、若い衆たちは、人魚だなんて本当かなあと疑いながら、それでも少し好奇心にそそられ、とにかく大網を打って、入海の底をさぐって見たけれども、網にはいって来るものは、にしん、たら、かに、いわし、かれいなど、見なれた姿のさかなばかりで、かの怪魚らしいものは更に見当らず、翌る日も、またその翌る日も、村中総出で入海に船を浮べ、寒風に吹きさらされて、網を打ったりもぐったり、さまざま難儀して捜査したが、いずれも徒労に終り、若い衆たちは、はや不平を言い出し、あのさむらいの眼つきを見よ、どうしたって普通でない、気違いだよ、気違いの言う事をまに受けて、この寒空に海にもぐるのは馬鹿々々しい、おれはもう、やめた、あてもない海の人魚を捜すよりは、村の人魚にあたためられたほうが気がきいている、と磯の焚火に立ちはだかり下品な冗談を大声で言ってどっと笑い囃し、金内はひとり悲しく、聞えぬ振りして、一心に竜神に祈念し、あの人魚の鱗一枚、髪一筋でもいまこの入海から出たならば、それがしの面目はもとより武蔵殿も名誉、共に思うさま百右衛門をののしり、信義の一太刀覚えたか、とまっこうみじんに天誅を加え