Japanische Klassiker mit Furigana
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まさことまき
方子と末起
小栗 虫太郎
Lesen Sie 方子と末起 (まさことまき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.517 Zeichen · 24 Bildschirme
なるほど、お母さまとお祖母さまとは親子なんだから、あの髷を、結ったらそりゃ似るだろう。だが、お祖母さまはなにをした方だ。いけません、ああなって刑をうけるより、より以上の苦しみをなされている。その方に、わざわざ想い出させ苦しめるようなもんだ。末起、おまえはお祖母さんを、そんなに憎いかね」
「あたし……どうして、そんなこと」
末起は思わぬ方向から謙吉に解釈され、ただ狼狽え、釈明を急かれてしまった。それまでは、少女に似合わぬ尖鋭さがあったけれど、そして淡いながら、義父の謙吉に疑惑を感じたのだったけれど……。
「あれは父さま、お祖母さまがそうしろと仰言ったんですわ」
「なに、お祖母さまが……」
とたんに、謙吉の頬がぴりっと顫えた。血の気が、唇から爪先までもなくなり、いいだしたのも、よほど経ってからだった。
「では、お祖母さまが、どうしたというのだね。口が、自由になったのか、指か……」
「いいえ」
「では、どうなったのだ※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
末起に、もしそのとき裕りがあったならば、義父の混乱や狼狽のさまを、ことに、そうでないといわれて溶け弛んだときを、心の鏡のように見て取れたろう。