Japanische Klassiker mit Furigana
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りょかくきじけん
旅客機事件
大庭 武年
Lesen Sie 旅客機事件 (りょかくきじけん) von 大庭 武年 (おおばたけとし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.209 Zeichen · 21 Bildschirme
「君は、では、孰れにせよ、綿井氏より秀岡氏の方が先に死んだものと解釈するようだね? もし綿井氏の方が先に飛行機からとび降りれば、秀岡氏を殺害した犯人は君の主張によれば、どこにもないと言う事になるからね」検事は鷹揚に池内の言葉を聞き終ると言った。
「いや、綿井氏は絶対に秀岡氏の死より先に機から飛び降りたのではないと考えます。綿井氏の精神を自殺から他へ転向させたのは、勿論、秀岡氏の所持する金が自分の手に握れる立場になった故に違いありません。他に理由のつけようがありませんから――。然し理由もなくどうして秀岡氏が、そんな大金を甘んじて綿井氏に提供するでしょう……」
「では矢張り秀岡氏殺害犯人は……」
――丁度そこへ署員が慇懃に現われた。
「唯今、N警察署から通知がありまして、昨日綿井氏の屍体を発見して届け出た農夫が再び警察に出頭して、自分が屍体の懐中からこれだけの札束を横領隠匿したと自白して、五万円の金額を提出したそうです」
「うむ!」検事は頷いた、池内の顔も難関が取り除かれたように釈然と明るくなった。途端、卓上電話のベル。
「ああそう」検事は電話の相手に応えた。