Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

と人人に高言するほど濶達自由で豊かな知識を持った紳士であった。船中でのティパーティのときもよくこの老人は外人たちに巧みな英語で演説した。頭の鉢が大きく開き強い近眼の上に鼻がまた素晴らしく大きくて赤かったが、その奇怪な容貌のようにこのときの沖氏の踊りもひどく下手いというよりも初めから巧みに踊ろうとは考えてもいない踊りである。「あは、あは、」とただ笑いながら足踏みしているだけだ。真紀子も自然に笑い崩れてときどき立ち停り、あたりの踊りへ突きあたる。見ているものもその度にどっと笑う。

「いや、これはワルツでね。」と沖氏は云って、「どうです、皆さん。今夜が最後ですよ。いっそのことおけさでもやるか。無礼講じゃ。」

「よし、やろう。」

沖氏の元気に若者たちも火を点けられると、もう甲板の上の踊りなど皆には面白くなかった。外人や中国人をそのままそこへほうり出して踊りに任せ、一同サロンへどやどやと這入っていって日本人ばかりで酋長の娘から初め出した。それがさくら音頭から東京音頭となり、野崎小唄となり、だんだん進んでいくに随って、とうとうあなたと呼べばというのになった。若者たちはも早や胸を絞られ遠い日本の空の思いに足もひっくり返って来るのだった。