Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
もう君にしても僕にしても、物を見る意識が狂ってしまっていることだけは事実なんだから、そんならこれからの自分の正確さを、どこでどうして調節をつけるかという問題があるだけでしょう。」
「一寸待って下さい。」
久慈は一層考える風に頭をかかえテーブルの上を見詰め始めた。
「僕らの意識が狂っているとは、それはどういう意味です。」
「僕も君も、僕らの見てしまったものと、頭で考え出した言葉と、一致させて表現することが出来なくなってしまっているのですよ。こちらへ来ない間は、外国のことを読み聞きしても、まだ実物を見ない有難さで、それぞれ勝手に描いた幻想に意味をつけて、それを公式のように正当だと感じることが出来たけれども、もう僕らはその幻想も壊れたし、壊れたことに意味もつけようがなくなった。ざま見やがれと笑われているようなものだ。」
東野はこう云って自嘲を浮べた淋しい笑顔のまま、さきから見つづけていた一人の外人の婦人の顔から眼を放さなかった。
「しかし、人間の認識は外国だろうと日本だろうと、変るものじゃないじゃありませんか、そんなことに変化があれば、だれも知識を信用するものがない。