Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「料理屋で料理を食うのは国民間の親愛のもとであります。すべて平和というものは食事から来るとは、中国の大哲の教えだと思います。それに諸君は外国に来てまで、われわれの空腹に反対をせられるか。ここはフランスでありますぞ。君らの尊敬する外国で毎日勉強したことが、空腹の者にも自国の食事を与えるなということでありましょうか。これ甚だ東洋人たるわれわれの遺憾とするところであります。われわれの東洋には、戦うときでも敵に塩をやって決戦した、礼儀や仁徳をモットオとした英雄の日月があったのであります。」

ひどい近眼の大きな顔をいつもにこにこ笑わせている沖が、こういうことを云うときも絶えず笑っていたので、鋭い内容の演説も柔ぎがあったが、運悪くここは英国語ではなかったから、船中のようには聴手にうまく響かなかった。隣室は急に騒がしくなるばかりで、沖に殴りかかろうとする頑な二三の顔が窓からこちらへ顔を突き出し、歯をむき出した。

「これや、何云うても仕様がないわい。料理をくれん方が勝ちじゃ。出ましょうや阿呆らしい。」

と沖は急につまらなそうに云うと立ってもう帽子を冠った。久慈や矢代らだけではなく皆も沖の後からついて階段を降りていったが、罵声が一層強く後の方でするだけでボーイは挨拶一つしなかった。