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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、彼はまだ飲みつづけた。肱がテーブルから脱け落ちるのを支え直しているうちに、叫び出したいような腹立しさが昂じて来たが、それでもまだ彼は飲んだ。すると、もう何か脱れたような勢いになり、注ぐのに壜もうまくコップに当らずただかちかちと鳴るだけになって来た。

「あなたもうおよしなさいよ。駄目だわ。そんなに飲んじゃ。」

真紀子ももう真剣になってとめた。が、真紀子にとめられればとめられるほど久慈は一層やめられなかった。何んとなく腹立たしさが真紀子の物いう度びに高まって来て、もう抑えることが出来なくなった。

「みんな不合理な奴ばかりだ。何んて不合理だ。」

と久慈は云うと、くらくら廻るように見える部屋の一点を見据えて立ち上ったが、もう足がきかなかった。あたりの椅子の背を伝い寝台の傍まで行って真紀子の投げた薔薇を掴み自分の胸へ差そうとした。しかし、それもうまく差さらなかった。

「あたしが差してあげますから、じっとしてらっしゃいよ。じっと。」

真紀子が久慈の胸に薔薇を差そうとしている間、久慈は真紀子の肩を掴んで揺り動かした。

「合理がないなんて、そんな馬鹿なことがあるか。