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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

そのときは眼の前に連っている鉄柵を揺り動かして群衆が押しよせ、またその狂乱する群衆の心理の底をかい潜って、これを煽動する一群の貴族や躊躇逡巡して決意を知らぬルイ十六世の若いインテリの眼の前で、膨れ上って燃えるダントンの情熱と平行し、民衆に謀反の油を注ぎつつ、しかも、王の安全に奮闘して斃れるミラボオの苦策など――人の脳中にほんの些細な疑いの片影がかすめ去る度びに、ばたばたと首の飛び散った大噴水がここに立ち狂っていたのである。

久慈はその有様を手短かに真紀子に話した後で云った。

「ところが、その狂暴な噴水に整理をつけたのが、イタリア人のナポレオンなんだからな。――ここのフランスの愛国心の権化になったのがイタリア人だというのが、そこが僕らの不思議なところだ。分ったようで分らない。実際ここにこうしていると、まだまだ生きてみる値打ちのある構図を人生はとっているのだとつくづく思うね。」

「ナポレオンはイタリア人ですの?」

と真紀子は意外なことを聞いたという顔つきで訊ねた。

「それやコルシカ島民だから、その当時のあそこはイタリア領だったので、ナポレオンの父親はフランスと戦争をして負けたのさ。