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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

と訊ねた。久慈は不愉快そうな顔で東野を見たが、例の負けず嫌いな精悍な眉を上げ、「何に、一寸ですよ。」

と云い渋った。

「でも、鼻血が出ましたのよ。ひどく出ましたの。」

と真紀子は傍から久慈の嫌がることに気がつかずうっかりと話した。矢代にだけ分るこんな久慈の苦苦しげな突然の緊張に立話が意外に白らみを見せかけたとき、

「じゃ、もう乗りましようか。」

と矢代は千鶴子を急がせた。

「それでは皆さん、どうも有り難うございました。」

と千鶴子は皆にお辞儀をした。さようならと声を揃えてバスの入口へ集って来た皆のものに、また千鶴子は挨拶をしてバスに這入った。後から矢代も乗り込んだ。彼は窓口から放れた方に椅子をとると、顔を反対の方へ反らせていたが、久慈と真紀子の些細な喰い違いが眼に残り、あの調子では二人とも遠からず別れるときがあるなと、ぼんやりと思うのだった。そのうちバスはすぐ動き出して一行から放れて行った。二人はしばらく黙って揺られていてから、

「真紀子さんたちスペインへいらっしゃるの、いいわね。」

と千鶴子は急に傍に矢代のいることに気づいたらしく彼の方へ身を向け替えて云った。