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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

こっちが変ってれば千鶴子さんだって変っているさ。」

「じゃ、その方は宜敷く君に任せるとしてだね。妙なことに、アンリエットさんのことを僕の手紙に書いたんだが、それにも拘らず、君に手紙をよこさずに僕にくれるというのは、第一これ君にはなはだ失礼じゃないか。」

「何も失礼なことあるもんか。それだけ君を使いたいんだから、僕を尊敬してるんだ。」

足をとられたように久慈はしばらく矢代を睨んでいたが、急ににやにやすると、

「いったい、君はそれほど威張れることを、無断でしたのか。」

「僕は婦人に対してだけは、むかしから春風駘蕩派だからな。何をしたか君なんか知るものか。」

いくらか葡萄酒の廻りもあってつい矢代も鼻息が荒くなった。

「さア、今夜は君らから放れてやらないぞ。どこまでもついて行ってやろう。ギャルソン。」

ボーイが来ると矢代は勘定を云いつけた。

支払いをすませて外へ出たときはもう全く夜になっていた。三人はゆるい坂をルクサンブールの方へ登っていった。たゆたう光の群れよる街角に洋傘のような日覆が赤と黄色の縞新しく、春の夜のそぞろな人の足をひいていた。

カフェー・スフレのテラスは満員であったが、ようやく三人は椅子を見つけて腰を降ろした。