Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
そこが失礼することになったのですよ。」
「そうそう、そういうことがあるなア。僕もあった。」
と聞いてはいないと思った由吉が横からひとり頷いた。
「そんなものかしら。」
千鶴子は声を落して急に黙って考え込んだ。
「そうなんですよ。それだけですよ。」
「それにしてもだわ。」
「いや、いや、あなたの間違いさ。面白うてやがて悲しき鵜舟かな。」
話の継ぎ穂もなくばらばらに砕けてしまった静まりの中で、矢代は、当然いつか一度は来なければならなかった失望を、塩野のおかげで早くすませただけだと思い、逆に不思議と元気にもなるのだった。実際パリで別れる前に、予め千鶴子に云うだけ云った用心の後、予想よりも大きくやって来たこの夜の失望に、却って彼はその大きさだけ元気を恢復したといっても良い、奇妙な安定を得たように思った。西洋を旅しているときは、別に何事もなかったとはいえ、何しろ青年にとっては、そのことだけで誰しも生れて以来の大事件であったことに変りのあろう筈はない。そのときに出会った友情の烈しさも、旅の終りとともに事なく解消出来た自然さは、企てようと努めても出来がたい弾力の美しさだったと、矢代は思う。