Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
それも、この宗教の相違の問題だけは、ともに二人が生活をしてみた後でなければ、互に分らぬことかもしれず、また考えようによっては、千鶴子のカソリックを信じる意向も、ただ近代の日本婦人が外国語を習うような、教養の部門の一つの趣味として考えているだけかもしれないと思われる筋もあった。しかし、いずれにせよ、千鶴子を改宗させる困難は、自分の改宗以上に努力を要することにちがいないことだった。
矢代はこのような千鶴子と自分との結婚に一番難関となっている宗教のことを考えるときは、いつもまた大友宗麟が頭に泛んだりした。このフランシスコ宗麟は、よく外国の戴冠式に法王から冠をかむせられて拝跪している国王のような服装を、鎧の上から引っかけ、戦場に臨んだ。そんな風にすべて宗麟はカソリックの礼式を用いたという史書を読むに及んで、矢代は、その宗麟に滅ぼされた自分の先祖に多少のむくれもまた感じた。そういうときには、それにつれまた千鶴子の身の上にも及ぶとともに、彼女の家の家系や、それと似た他の日本の知識階級の家家は、先祖の中に、カソリックに負けた悲しさ、苦しさを知らぬ家系が多いからだというようにも思うこのごろである。