Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」と突然彼は云って菊から顔を放し、また濠の中を見降ろした。
「あなた、ほんとにどうかなすったんじゃありません?」と千鶴子はこう云いたげに恐しそうな表情で矢代を見た。
「何んのこと、今はむかしって?」
「今がつまりむかしで、今こうしていることが、むかしもこうしていたということですがね。きっと僕らの大むかしにもあなたと僕とのように、こんなにして帰って来た先祖たちがいたのですよ。むかし日本にお社が沢山建って、今の人が淫祠だといってるのがあるでしょう。その淫祠の本体は非常にもう幾何学に似てるんですよ。それも球体の幾何学の非ユークリッドに似ていて、ギリシアのユークリッドみたいなあんな平面幾何じゃない、もっと高級なものが御本体になっていたんですね。つまり、アインスタインの相対性原理の根幹みたいなものですよ。それもアインスタインのは、ただの無機物の世界としてだけより生かしていないところを、日本の淫祠のは、音波という四次元の世界を象徴した、つまり音波の拡がりのさまを、人間の生命力のシンボルとして解しているんですね。それも函数で出てるんだから、自然科学も大むかしの日本では、そこまで行っていたとまでは云わなくとも、非科学的なものではない。