Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、あの千鶴子とこの千鶴子、と思い較べ、なおよく眼の前にいる彼女を更めて見直すのだった。

「じゃ、古神道って、カソリックも赦して下さるものなのね。」

千鶴子はそれで初めて安心したと云いたげに眉を開いた。

「それは明治六年の三月十四日以来ですよ。僕はちょっと調べてみたんだが、その年には内閣の大臣が、家族の葬式をカソリックの式にして、外人の導師に随って公然と行っていますね。その日までは、カソリックのことを邪宗門といっていたのが、それからは逆に古神道が邪宗といわれる風が生じて来ているのです。それも日本の法律が神道ではなく、あくまで古神道を中心に創られているのにですよ。いつの間にやら万事すべてがあべこべなんだ。」

槙三はやはりにやにや薄笑いを洩しながら御飯を食べていた。

「僕はそういう風なことに気がついたもんだから、せめて千鶴子さんのお祈りのときに云われる言葉だけでも、知って置きたいと思って、それで実は、さっきも、ああいう失礼なことをお訊ねしたんですよ。訊ねざるを得ないじゃないですか、僕とすれば。」

矢代は食い物のこともうっかり忘れて云ったので、声も幾らか高かった。