Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「でも、あのときは無理だわ。あなたの仰言り方があんまり突然で、何んだかあたし、踏絵を命ぜられたみたいに思えたんですもの。」

「踏絵か、なるほどね。」と矢代は云った。

「あなたの身代りに、僕が踏絵をしようというときだったのに。――実際もし日本が徳川時代に、実権が幕府になかったなら、キリシタンの大虐殺はなかったですよ。もしあのとき明治のように、古神道が法律を動かす中心だったら、踏絵などという残酷なものはなかったと僕は思いますね。」

「じゃ、あなたのなさる古神道のお祈りっていうのは、どんなに仰言るの。」

「人のは知らないが、僕のはただイウエと発音するだけなんですがね、これを早くいうと、いわゆる気合みたいになって、エッと聞えるけれども、まアそれでも良いのです。あなたなんかのは長長と、他宗に聞かれちゃ困るようなことを、云わなくちゃならぬのでしょう。」

「イウエっていうのは、それはどういうことを意味するんですか。」と槙三は訊ねた。

「言霊ではイは過去の大神で、ウは現神でエは未来の神のことです。ですからこの三つを早く縮めて一口に、エッと声に出してお祈りするのですが、そうすると、日本人なら誰だって元気が満ちて来るでしょう。