Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
にすべきかどうかという、そこの疑問から今のすべての論争が発展したり、押し籠められたり、引き延ばされたりしている始末なんだろうと、僕は思うんです。さっきお隣りの部屋で皆さんの仰言っていられた、あんな問題も、やっぱりそれと同じことじゃないかと、僕は面白くお聞きしていましたのですが。」
矢代は老人にもこのような問題には心を向けて貰いたく思い、少し出すぎた調子も和らげず強める風に云ってみた。
「つまり、じゃ、二十世紀の道徳と科学の問題というわけですね。」
久木男爵は眼鏡を一寸取り脱し、一種異様に鋭く光る目の色で矢代の方へ体を傾けた。
「まあ、そうです。それが東洋人の僕らから見ると、十四五世紀の問題として映っているのかもしれないですから。そこが難しくて。」
と矢代は答えた。
「じゃ、あなたがたは、科学と道徳とどちらが良いと思われるのですか。」
「そこが、僕等の論争の中心なんですが、僕は道徳だと思うのです。」
「僕は科学だと思うな。」
と音楽家の遊部が横から云った。
「さあ、それはどうだか、――いや、それは難しくなって来ましたね。」
と久木男爵は云い直してまた眼鏡を懸け首をかしげた。