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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

と、俄かに顔色をほころばせて、喜んだのは、さきからひとり黙っていた画家の佐佐だった。

「さア、侯爵、黙ってばかしいないで何んとか云いなさい。あなたんとこの先祖もキリシタンをやっつけた方だよ。」

と由吉は田辺侯爵に押しつけるようににやにや笑って云った。

「僕んとこのは代代名君だったからな、そんな怪しいことはやらんさ。」と侯爵は鼻のあたりを撫で廻して云った。沈んだものらの顔色もこのときは一緒に笑い出した。

「しかし、カソリックの極悪非道というのは、それやヘルンはカソリックを知らないんだよ。いかに日本を愛するあまりに云ったことだとしても、西洋に秩序と忍耐と謙譲の徳とを与えている根源の精神を、極悪非道というのは、無智無羞の徒の云うことじゃないか。もし西洋にカソリックがなかったら、ヨーロッパ精神というものはもう闇同然だと思うね。」

遊部は眉を顰め落ちつかなそうに云って矢代を見た。それはむしろ悲しそうなにがにがしい怒りを含んだ眼つきだった。

「しかし日本の一番の美点をむかしのギリシア同様の祖先崇拝だとヘルンが見てとった場合、それを止めよとカソリックが命じるなら、こ奴極悪非道な奴だと思ったのは当然だよ。