Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
ラアデマッヘルという数学者でしたかね、その男の云うのには、一つの部屋に男という集合があり、また別に女という集合があってダンスをした、すると、二人の男女が手を繋いでみて、うまい具合に残りがなくなった場合には、一対一の対応が出来たということになって、男女の数は相等しいという、その証明の仕方が、つまり、集合論のそもそもの始めのような所ですからね。まア港を船で行くそれみたいなものかな。平面という一次元の世界では、人間の考え得られる数のすべてと、直線上の点のすべては一対一の対応が出来る。相等しい個数を持っているという、そこのところが、いわば集合論の口みたいなものですよ。」
「じゃ、僕のような独り者がぼんやり港の船を見ているという――こういうのは、その集合論の口へも入らぬというものですかね。」と由吉は、そろそろもう数学の世界から喰み出したい気骨を眉目に見せ始めて来るのだった。
「しかし、あなたのようなそういう独身の人の希望は、船舶を動かす動力になりますよ。その動力が物を連続させるという、つまり、平面に幅や厚さを与える二次元三次元の立体の世界を織り出してゆくのですからね。