Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
中でも鶏龍の別毛鉢が一番優れて美しかったが、それらの選択の仕方には、特に大物をさしひかえた凝り性の滋味な統一が伺えて愉しみぶかい選択だった。
千鶴子がお茶とお菓子を持って来た。家人はもう寝たと見え庭に射し込む灯影がどの部屋からのもなく暗かった。千鶴子はまた引っ込んで出て来たときには、今度はチーズとビールを擁えて来た。
「矢代さんお初つに来てくだすったのに、何も今夜は見つかりませんのよ。御免なさい。」
千鶴子のそう云うよりも、女中の手を煩さなかった心遣いが結構だったと矢代は思った。そして、隣室からへだたったこの部屋の潤いの籠った明るさは、久しぶりに千鶴子と二人で自分の部屋に帰ったときの、パリのある夜の寛ぎに似たものを思い出し、そのときの灯の匂いを嗅ぎ出すように首をのんびりと廻しあたりを見た。すると、朝からの休む暇もなかった気疲れも加わって、ふと彼は、こんなとき二人がもし結婚をすれば、もう今の匂やかなものの通う路は断ち消えて無くなりそうな恐れも覚えて来るのだった。
「今夜の東野さんは凄かったね。本当の平和はもう来るぞ。と云ったときの、あの人の顔ったら、なかったぜ。