Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがさとちょう

日がさとちょう

小川 未明

Lesen Sie 日がさとちょう (ひがさとちょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.703 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

びっこの娘は、家にいて、百姓をしていましたが、暇をみては、耳の遠い娘のところへたずねてまいりました。そして、彼女から都会の話をきくのを楽しみにしたのであります。

「ああ、私は、いつ東京へいって、そのにぎやかな光景を見られるだろう?」と、びっこの娘は、ひとりでため息をもらしたのでした。

そのうちに、日数がたって、耳の遠い娘は、また東京へ帰らなければならなかったのです。

「私は、また明日、東京へ立つことになりました。」と、びっこの娘のところにきて、暇ごいを告げたのであります。

「こんどは、いつ、二人が、あわれようか……。」と、びっこの娘は、別れを悲しみました。ついに別れる日となりました。びっこの娘は耳の遠い娘を村のはずれまで送ってゆきました。

「どうぞ、お達者で暮らしてください。この日がさは、あなたに置いてゆきます。」といって、耳の遠い娘は、日がさをかたみに、びっこの娘に与えました。

二人は、そこで悲しい別れをしました。びっこの娘は、ひとり山道を歩いて帰ります途中、道ばたの石の上に腰をかけて休みました。そして、ふたたび都へ旅立っていった友だちのことを思い出しながら、美しい日がさを開いてながめていました。