Japanische Klassiker mit Furigana
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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Lesen Sie 日は輝けり (ひはかがやけり) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.445 Zeichen · 152 Bildschirme
見たりする。
たった一銭、どこかの家の、火鉢の引き出しにさえ転っていそうな一銭が足りないばかりに、こんなにも欲しいものを見捨てて行かなければならないのか?「下らないなあ、定まっていることを、なぜそうまごまごしているのか?」冷たい笑いが、自分自身のうちから発せられるのを感じながらも、彼は欲しいという心持を押えられない。
「本の万引をするつもりかい?」
浩は、思わず赤面して、不思議そうな顔をしている小僧にそれを返し、一冊だけを買って帰って来る。
そんなことは、余裕のある生活をしている人には、恐らくただ馬鹿な、意志の弱いこととしてほか思えないだろうということは、浩自身も知っている。けれどもしばしばこういう心の経験をしている彼は、ほんの出来心で、反物などの万引をする女の心持がよく解った。幸自分は、思いきれるし、また対照となっているものが、それだけほか求めても得られないものではないから、自分自身ほか感じられない、内心の苦痛だけですむが……庸之助が、この店としては咎めずには済まされないことをしているとは、思うだけでも浩は辛かった。が、嬉しいことに、彼の不安は単に杞憂に過ぎなかった。