Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひびのパン

日日の麺麭

小山 清

Lesen Sie 日日の麺麭 (ひびのパン) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.039 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

」

医者は電気でとれば簡単だが、痛いから泣くだろうと云い、ひまはかかるが痛くない方がいいだろうと云って、おしづの疣に絆創膏を貼った。

かえり道で、末吉は露店で麦藁帽子を売っているのを見かけ、自分の分とおしづの分と二つ買った。大人用のは四拾円、子供用のは三拾五円、大きさに比較して値段のちがいは少かった。

末吉には麦藁帽子を見るのは久し振りな気がした。それは子供の頃の思い出につながるものであった。懐かしい気がして、つい買う気になった。それに値段も安かった。同じように少額の儲で生活している末吉は、売手の男(末吉と同年配の男だったが)になんとなく親しみを感じた。

末吉はすぐその場で、おしづの頭に帽子をかぶせて顎に紐をかけてやり、自分もかぶった。おしづのには一筋紅く染めた麦藁が編込んであった。

末吉のはこの頃では海水浴場か地方にでも行かなければ見かけられない、鍔の大きな代物であった。子供の頃、末吉はこの帽子をかぶってよく水泳ぎに出かけたものであった。その頃のことを思うと、夢のような気がする。

おしづの手をひいて歩きながら、末吉はなんどもその顔を覗いてみた。