Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lesen Sie 日本の伝説 (にほんのでんせつ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.931 Zeichen · 207 Bildschirme
(山梨県町村誌。山梨県西山梨郡国里村国玉)
九州の南の端、薩摩の開聞岳の麓には、池田という美しい火山湖があります。ほんの僅な陸地によって海と隔てられ、小高い所に立てば、海と湖水とを一度に眺めることも出来るくらいですが、大洋と比べられることを、池田の神は非常にきらいました。そうして湖水の近くに来て、海の話や、舟の話をする者があると、すぐに大風、高浪がたって、物すごい景色になったということであります。(三国名所図会。鹿児島県揖宿郡指宿村)
湖水や池沼の神は、多くは女性でありましたから、独隠れて世の中のねたみも知らずに、静かに年月を送ることも出来ました。山はこれとちがって、多くの人に常に遠くから見られていますために、どうしても争わなければならぬ場合が多かったようであります。
豊後の由布嶽は、九州でも高い山の一つで、山の姿が雄々しく美しかった故に、土地では豊後富士ともいっております。昔西行法師がやってきて、暫く麓の天間という村にいた頃に、この山を眺めて一首の歌を詠みました。
豊国の由布の高根は富士に似て雲もかすみもわかぬなりけり
そうするとたちまちこの山が鳴動して、盛んに噴火をし始めたので、これはいい方が悪かったと心づいて、