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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談(二) (かにのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.664 Zeichen · 171 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい」

「わしは、お前と小供の世話をしたいと思う、お前も知ってのとおり、わしは三年前に妻室に死なれて、親類や知人から後妻を勧められたが、小供に可哀そうじゃからと、どれもこれもことわって今日まで来たが、お前がわしの家に手伝いに来てくれてから、その決心がにぶって来た」

お勝は困ってしまった。

「どうかわしに、世話をさしてくれ、小供はきっと立派な者にしてみせる、為作老人もお前に代って、一生不自由なく世話をしてみせる」

「はい」

「わしは、神に仕える地位じゃ、決して嘘いつわりは云わん」

「それは、もう、お志のほどはよく判っておりますが、これは私の一存にはまいりませんし、それに私は賤しい身分でございますから」

「それはかまわない、わしはお前の素性も聞いて知っておる、わしは、それも承知のうえじゃ、人の魂は、その人の心がけしだいで清められる、どうかわしの世話になってくれ」

「それはもう、旦那様のお志のほどは判っておりますが、まだつれあいが亡くなって一年にもなりませんし、私はそんなことは一切考えないようにしております」

「それは、わしにも判っておる、わしもまだ云う時ではないと思うたが、昨夜のようなことがあって、お前の心が他へそれるようなことがあっては、とりかえしがつかんと思うから」