Japanische Klassiker mit Furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lesen Sie 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.545 Zeichen · 140 Bildschirme
と言うと「どうもしないの、大丈夫よ」と言って、わざとらしく笑う。
安寿の前と変ったのはただこれだけで、言うことが間違ってもおらず、することも平生の通りである。しかし厨子王は互いに慰めもし、慰められもした一人の姉が、変った様子をするのを見て、際限なくつらく思う心を、誰に打ち明けて話すことも出来ない。二人の子供の境界は、前より一層寂しくなったのである。
雪が降ったり歇んだりして、年が暮れかかった。奴も婢も外に出る為事を止めて、家の中で働くことになった。安寿は糸を紡ぐ。厨子王は藁を擣つ。藁を擣つのは修行はいらぬが、糸を紡ぐのはむずかしい。それを夜になると伊勢の小萩が来て、手伝ったり教えたりする。安寿は弟に対する様子が変ったばかりでなく、小萩に対しても詞少なになって、ややもすると不愛想をする。しかし小萩は機嫌を損せずに、いたわるようにしてつきあっている。
山椒大夫が邸の木戸にも松が立てられた。しかしここの年のはじめは何の晴れがましいこともなく、また族の女子たちは奥深く住んでいて、出入りすることがまれなので、賑わしいこともない。ただ上も下も酒を飲んで、奴の小屋には諍いが起るだけである。