Japanische Klassiker mit Furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme
「いや、君は馬鹿だ。はははは君、出ている女は君、君一人だけが客じゃない、ほかにも多勢そんな男があるもの……」と笑い消してしまう。
母親も傍から口を出して、
「世話になった人はあんたはんばかりやおへん。まだまだもっと他に、いうに言えんお世話になったお人がありますのどす」と、その男にも聴いてくれというようにいう。
「うむ、そりゃそうやろとも」男はもっともというようにうなずいている。
私は、それを不快に思いながら聴いていたが、
「そりゃ、私のほかに、もっと世話になっていた男があるかも知れない。何も自分一人が色男のつもりでいたわけじゃないが、自分もこの年になって、女に引っ掛かったのは、これが初めてじゃない。随分女の苦労は東京にいてたびたびして来ているんだ。しかし今度のような御念の入った騙され方をしたのは初めてだ。それに何ぞや、私が嚇かしたために気が狂ったなぞと、聞いて呆れる。それどころじゃない、私の方であの女のことを思いつめて患わぬが不思議なくらいに自分でも、思っているのです。私が嚇かしたためにそんな病気になったという苦情があるなら私の方で悦んで引き取って癒してやりましょう。