Japanische Klassiker mit Furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme
その人間がわざわざ私のところに来て依頼して帰った」
「あんたはん、あんな遠いところからそのことで出て来てくれたのどす」二人は調子の合ったことをいっている。
私も、心の中で、ああいうのだから、そんな親類があるのかも知れぬと思った。
「じゃ、私がその藤村利平という人に一応会って話しましょう」
「いや、もうこの間ちょっと来て、すぐ帰ってしもうた」といってしまう。
ついに、どちらのいい分も要領を得ずにそんな取り留めのない話になったが、私の心は、どうあっても女を思い絶たない、女に会わなければ承知しないが腹一ぱいで、たといこの天地が摧けるとも女を見なければ気が済まぬのである。それで、とうとう三、四時間も話し込んでいる内に暗くなってしまったので、その男は、忙しいといって立ちそうにするのを、私はどこまでも一度女に会って、差向いで納得するような話をしなければ何といってもこのままに済ますわけにはゆかぬといい張った。
すると、母親もその男も遅くなって心が急くのと両方で、
「そやから、病気さえ良うなったら、あんたはんにも会わせますいうてるやおまへんか」
「きっと会わせますな」
ということにして、二人は帰った。