Japanische Klassiker mit Furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme
。そこへ去年の秋のあの風邪が原因でえらい病気して自分は正気がないようになっているところを付け込んで、お母はんは目先の欲の深い人やよって、今の人がお母はんに金を五百円とかやって姉さんの身を引き受けよう、ほんなら、どうぞおまかせしますということに、自分の知らぬ間に二人で約束してしもうて、医者から何からみんなその人がしてくれて、お陰で病気も追い追い良うなったのやし、今となって向うの人にも深い義理がかかってあのお方の方ばかりへ義理を立てるわけにもゆかんようになった。それで今急にどうするということも出来んさかい、ここ半歳か一年待っていてもらいたい。その間に好い機があったらまたこちらから手紙を出すか、話をするかするさかい……」
「それで半歳か一年待ってくれというのですか」
「まあ、そういうてはるのどす。今急にあんたはんのところへ行けんことになったよって、それを私からあんたはんによう断りいうてくれるように、姉さんからくれぐれも頼んではりました。……そんなわけどすよって、あんたはんももう好い時節の来るまであまり気を急かんとおきやす。この話急いたらあきまへん。私も御縁でこして及ばずながら仲に入って口をききました以上は決して悪い話には致しませんつもりどすよって」