Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

それが一月の末時分から口や鼻のまわりから頭髪に小さい腫物のようなものが出来て来たからまた医者に行って見てもらうと医者は、顔を渋めて、

「ああ、来た……。ちょうどあれがこうなって来る時分だ」といって、いろいろ手当てをしてくれて「ひとしきり頭髪が脱けてしまうよ……ナニまたじき生えるのは生えるけれど」そういった。

はたして医者のいったとおりに顔の吹出物はだんだん劇しくなって人前に出されない顔になった。そうなると私は故郷に年を取っている一人の母親のことを思った。

親が満足に産みつけてくれた身体にもし生涯人前に出ることの出来ないような不具な顔にでもなったら、どうしよう。そのことを考えるとまた夜の眼も眠られないことがあった。お前のことといい、たとい高等地獄とはいいながらお宮の義理人情に叛いた仕方といい、その上にお宮から感染した忌わしい病のために一生不具の身となるようなことがあっては年を取った一人の親に対して申しわけがない。

お宮が私に叛いて柳沢に心を寄せて行っても、私はその浅ましい汚らわしい顔を恥じてじっと陰忍していた。皆を殺して自殺をしようかと思った。

「どうしたって、これはお前からもらった病気だ」